おけが出来るまで

これが桶の材料椹(さわら)です。

作る桶にあわせて必要な寸法に小割りして、
天日乾燥する。
雨や風にさらして、木のアクや 狂いを抜きます。

銑(せん)を使って側板の荒削りをする。
側板の反りや歪みなどもこの段階で大方取ってしまう。

 

*銑…両端に持ち手の付いた刃物。

   平銑、外丸銑、内丸銑がある。 

側板の外側を外丸鉋(かんな)で削る。

側板の側面を正直台で削る。

 

*正直台(しょうじきだい)・・・側板の木端を削るための、

                うらがえした大型の鉋

桶の勾配(上口から下口へのすぼまり具合)を計算して
側板の下部を削る。 

側板の上木口を木口鉋で削る。

 

あらためて側板の側面の角度を正直型に合わせて削る。


*正直型・・・桶の丸みと合わせ目の角度の型。
       作る桶の大きさにあわせて自作する。 

光に透かして角度のずれをみる。

光も漏らさない精度で角度をあわせる。

桶一つ分の側板を並べる。

側板の木端にキリで穴をあけ竹釘を打つ。

側板の木端に糊を付け竹釘でつないでいく。

仮輪をはめる。

*仮輪(かりわ)・・・桶を組み立てるときに使う真鍮製のたが。

           仮のたが。 

仮輪を締めてゆく。

桶の上木口を削り段差を取る。

手桶の場合、手をすげ替えて改めて組み上げる。

桶の形になりました。

桶の外側を外丸鉋で削り

仕上げてゆく。

外が仕上がれば、厚みを上木口の
厚みを決めて揃える。

内丸鉋で桶の内側を削り仕上げる。

底板のはまる位置に溝を掘るために
卦引き(けびき)で切り込みを入れる。 

卦引きに沿って槍鉋(やりがんな)で
溝をさらえていく。

竹を削ってタガを作る。
長い竹を削るので仕事場横の路地で削ります。 

竹のタガを編んで締めてゆく。

底板を切り出し、底回しをかけて

木端を滑らかに削り、底板を正確に桶に合せる。
はまり具合は仮合わせして調子を見る。

*底回し(そこまわし)・・・左右に持ち手の付いた横長の鉋
             南京鉋ともいう。 

底板の大きさが決まれば木端を
木殺し棒で木殺しをかける。

*木殺し棒(きごろしぼう)・・・

 木殺しとは木を金槌で叩いたり、金属棒でこすったりして

 木をへこませること。そのための鉄の棒。


 底板をはめた後、お湯をかけると木はへこんだ部分が膨らんで
 隙間なく水がもれなくなる。

底板を反らしたり、戻したりしながら
金槌の柄で打ち込んでゆく。

桶に掘った溝に正確にはめていく。

導突き鋸で足の切り欠きをいれる。

平銑で下木口を削り整える。

繰り小刀で、足を繰りだす。

各部面取りや、仕上げをしてゆく。

横手をはめる。

完成です。
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